心理学

ツァイガルニック効果とは?恋愛に応用がきく具体例とは?

ツァイガルニック効果とは

皆さんはツァイガルニック効果という用語を聞いた事がありますか?

初耳の方がほとんどかと思いますが、未完成なものや、なんらかの理由で中断されたものは、”人間の注意・関心をひきやすい”という人間の認知的な性質を示す概念の事を言います。

よくTVをみていると「続きはCMの後で」というようにいわれ、そこまで続きが気になる訳でもなかったのになんとなくチャンネルをそのままにしてしまった経験があるのではないでしょうか?

このフレーズの背景にある意図も、このツァイガルニック効果からくるものだとされています。

そしてこのツァイガルニック効果は「恋愛」や「仕事」、「教育」などあらゆる場面で使われる効果とも言われており、この心理効果を上手く使う事で気になる女性との距離が縮まったり、教育や仕事の面で上手くいくケースもあるかもしれません。

それではこのツァイガルニック効果は日常のどのようなケースで活用されており、さらに上手な使い方とはどういった方法なのか見ていきましょう。

■恋愛におけるツァイガルニック効果

先ほどからお伝えしている通り、ツァイガルニック効果とは”人が未完成なものを魅力的だと感じてしまう心理効果”の事を指します。

それでは具体的にどのようなケースかと言えば、例えば、昔一方的に好きだった人の記憶って鮮明ではないですか?両想いで実際に付き合った元カレや元カノよりも、片思いでおわってしまう(未完成)の方が、人々が語る「永遠の想い出」の対象になりやすいとされています。

この心理を恋愛の面で応用してみると、カップルの間にトキメキ感が戻ったり、デートの際等に非常に役立つ事があります。応用方法には下記のような事があげられます。

①メール・ラインの返事をあえて遅くする

ラインの返事が遅いと「やっぱり自分に興味がないのかな?」と不安になる事はありませんか?

実はこれもある種のツァイガルニック効果であり、「返事が来ない」という未完成な状態の方が、より人を惹き付けてしまう効果があるといわれています。

速攻返事がくるような人はいつでも自分の想い通りになるような気がしてしまいますが、返信がまちまちな人は凄くハードルが高く感じますよね。

モテる男性や女性はこの心理を本能的に上手く使っているんですね。

②相手の思い通りにならない人間でいる

相手の思い通りの人間になってしまうと、既に完成された関係性になってしまい、トキメキ感が減ってしまいます。

もちろん夫婦であればそれに越した事はないのかもしれませんが、恋人同士で「マンネリを感じてきたな〜」という方は普段とは違った行動や態度をしてみても刺激的かもしれません。

ただ、相手がヤキモチを感じやすい人であれば、逆効果になってしまう可能性も高いので注意しましょう。

③「もっと一緒にいたいな〜」という時に去る

「まだまだ一緒にいたい」と思っている時に去られると、すごくその印象が後まで残りませんか?

これはしょっちゅう使えるテクニックではありませんが、最初のデートや付き合う前のデートなんかではかなり効果的かもしれません。

お互いに一緒にいたいのにその場でわかれる事によって、次回のデートまでにお互いの気持ちがさらに高揚する事が期待できます。

■教育・ビジネスにおけるツァイガルニック効果

恋愛だけではなく、人材育成・ビジネスという観点でもツァイガルニック効果は効果を発揮し、特に「生徒(部下・相手先)の注意や関心をひきつける」という話題の中で使われることの多いキーワードです。

具体的には、講義では、理論を途中まで説明してグループワークに向かわせ、グループワークが終わった後で、種明かし的に理論の核心を公開するといったケースはよく見かけます。

提案としての企画書などを作成しているとき、だれでも、できる限り完璧な企画書を目指してしまうものだと思います。しかし、そうしてできあがった完璧な企画書というのは、思いのほかきちんと読んでもらえなかったりするものです。

これに対して「まだドラフトなのですが・・」という具合に断ったうえで、未完成な企画書を見てもらい、足りないところを突っ込んでもらったほうが、実は、多くの人に企画の趣旨が伝わったりするものです。

「自分の持ち寄った具の入ったカレーは美味しい」と言うように、認められる企画は、結局のところ、関係者の全員が参加して作成された企画なのです。

このように「ツァイガルニック効果」を活用すれば、多くの人から多くのアドバイスをもらえるばかりでなく、良好な人間関係まで築けたりするわけです。人間は複雑ですね。

いかがでしたか?

今回はツァイガルニック効果に関してお伝えしましたが、単的に言えば「人間は未完成なものに魅力を感じる」という事です。

何年も付き合っているカップルや夫婦がマンネリを感じてしまうのは、その関係性が既に完成されてしまっているからなんですね。

このツァイガルニック効果を上手く用いて、恋愛にトキメキを、ビジネスや教育の面でも人を上手く惹き付けていけるよう応用していくのが良いかもしれませんね!