「実はトラウマなんて存在しない」というオーストラリアの心理学者アドルフ・アドラーの唱える説が最近注目を浴びています。
アドラー心理学では「トラウマというものは存在しない」と考えています。
今や一般的にも誰もが使用する言葉ですが、そんなものは存在しないという事ですが…一体どういう事なのでしょうか?
そもそもアドラーって誰?
アドラーとはユングやフロイトに並ぶ心理学界の三大巨頭と呼ばれるほどの人物です。
弟子を多くとらなかったり自分の名前が残らなくても自分の考えが浸透すればそれでいい、といった考えで控えめな人物だったことから名前がクローズアップされることはなかったようです。
「どうして?」ではなく「どうやって?」
そんなアドラーが論じるのは「原因論」ではなく「目的論」なのです。
例えばあなたが病気になり、病院に行ってみたところ「風邪」と診断されたとします。
“原因を追及する”という点ではそこで診察は終わってしまいます。
そのままではもちろん風邪は治りませんよね?薬をもらう、薬を飲んで治すが目的ですよね。
それが重要だということです。
風邪をひいた原因や症状ではなくどのような薬をのんでどのように治すのか?それが「目的論」です。
「トラウマ」という言葉・概念は誰が考えたのか
「トラウマ」という言葉自体はフロイトが作り出したと言われています。
いわゆる「心的外傷」、心に強いストレスを浴びてしまいその強いストレスに長期間捕らわれてしまうことを指します。
アドラーはこのトラウマ自体が存在しないと唱えるのですが、言い換えると「過去に捕らわれるべきではない」と言っているんです。
例えば虐待を受けていた子どもが大きくなって、自分も子どもを産んだとします。
「自分も受けた傷や苦しみを誰かに与えたい」と考えるのか「虐待を受けて辛かったから子どもにはそんな思いはさせたくない」と考えるのか。
どちらが過去に捕らわれていないかすぐわかりますよね。
アドラーは常に前向きな考え方をするべきだと唱えているのです。
競争ではなく協力
アドラーは「競争」することに否定的です。
よく現代は「競争社会であるから蹴落とされたら負け組」だとか言われていますよね。
アドラーはその蹴落とされた負け組を作るべきではないと唱えています。
負けてしまった人はどうなると思いますか?
精神的に不安定になって、お金もなく犯罪を起こす可能性さえ出て来ます。
アドラーはそういった人を出さずに人は協力しあうべきで、協力することで会社などの業績も伸びて社会自体が円滑に行くと言っています。
そうすれば本当にトラウマなどなくなることでしょう。
考えを変えよう
「よく暗い自分を変えたい」といじわるな性格を変えたいと言う人がいますよね。
人間の基本的な「性格」は簡単に変えられるものではありません。
ですが、考えを変えることは簡単です。
暗い自分を変えたいのなら「少しでも積極的に話かけよう」と心がければいいことです。
いじわるなことを人に言ってしまう人は思ったことをすぐに口に出してしまうのではなく、少し落ち着いて考えてから話をしてみましょう。
行動や考えを変えるだけであなたという人間は劇的に変わることができます。
太っていて痩せれない人は「痩せにくい体質だから」とか言い訳をしてしまいがちです。
そういう考え方ではいつまでたっても痩せれないでしょう。
「どうやって痩せる」かが重要だということ、痩せて綺麗になったらどんな服を着よう?、前向きに希望を常に持つことを心がけましょう。