「太陽の光が眩しくて、つい一日中カーテンを締め切ったまま過ごしてしまう」
「夜遅くまで起きていた結果、朝起きることができず、昼過ぎに起きる」
そんな生活をしている方、居ませんか。
実はこの行動こそ、生活リズムの乱れを更に加速させる原因になっているんです。
今回はその理由についてお話しましょう。
人の体内時計は実は25時間周期!
地球上に生息している動物の多くは体内に生物時計(biological Clock)と呼ばれる機能を持っています。
生物の進化の中で、昼行性の動物は昼に、夜行性の動物は夜に活動できるよう身に付けた機能であり、人間も例外ではありません。
ですが、この生物時計、実は24時間周期でまわっているわけでは無いんです。
詳しい仕組みについては解明されていない部分もありますが、人間の場合は一時間長い25時間の周期になっていることがわかっています。
この、私達が普段使っている地球の自転に合わせた24時間の時計とは、少しずれた構造になっている体内時計のリズムの事を「慨日リズム」と呼びます。
体内時計をリセットする「セロトニン」と「メラトニン」
どんどんずれていってしまう25時間周期の時計をそのまま使いつづける訳にはいきませんよね。そこで、私達の体内にはその修正をする機能も備わっています。
ここで登場するのが、「セロトニン」と「メラトニン」という物質です。
朝起きた直後、太陽光が目から入ると、その光信号によって血液中にあるトリプトファンというアミノ酸が分解され「セロトニン」が生産されます。
脳内の神経伝達物質であるセロトニンは自律神経のひとつである交感神経に働きかけ脳内を活性化させるのです。この活性化した状態は10~12時間程続きます。
つまり、セロトニンによって私達の体は日中活動できる状態を保つことが出来るようになっているんです。
そして、太陽光を浴びてから13時間くらい経過すると今度は「メラトニン」という睡眠ホルモンの分泌が開始するようになっています。
このホルモンの影響でその後1~2時間のうちに自然な眠気が出てきます。
つまり、朝に浴びる太陽光は、私達の眠くなる時間まで決めてくれる重要な役割を果たしているんです。
上手な太陽光の浴び方
太陽光を浴びる際は、ガラス越しより、直接浴びた方が効果は高いと言われています。
カーテンと一緒に窓を開け、深呼吸も合わせて行うと、脳に酸素がめぐるのでより目覚めがスッキリするかもしれませんね。
また、昼間に強い太陽光を浴びることで、睡眠と覚醒のリズムの振れ幅を大きくすることが出来、よりメリハリのある生活ができるようになる
そうです。
お昼休みに屋外を散歩してみるというのも効果的かもしれません。
なお、夕方から夜の時間帯に強い光を浴びると良くないというのも、メラトニンの分泌が遅れてしまう原因になるからです。
パソコンや携帯、テレビなどは程々にしましょうね。
いかがでしたか?
体内時計を整えることで、お昼間の時間帯の集中力も高まり、仕事の効率もあがることが期待できます。
仕事が終わらず、ついつい夜遅くまで作業していた結果朝起きられない、そんな悪循環からも解放されるかも。
「どうも最近寝不足気味だ」「鬱病の症状がでているような気がする…」という方は、さっそく朝起きたらカーテンを開け、太陽の光を浴びてみましょう。
清々しい一日のスタートです!