行動心理

買い物依存症の原因や心理とは?克服・治療方法はあるのか

買い物依存症

買い物依存症は、心の病気のひとつです。

数ある依存症の中でも、特に恐ろしいのがこの「買い物依存症」だと言われています。なぜ恐ろしいのかというと、依存症だと自覚できていない人がいること、自覚しているとしても抜け出すことがとても困難だからです。

買い物をするという快楽にはまり込んで、次から次へと浪費してしまい、気がつけば借金でどうにもならなくなっている・・・そうなる前に、チェックしてみましょう。

自分は違うと思っている人も、もしかしたら買い物依存症の予備軍なのかもしれません。

女性に多い買い物依存症

買い物依存症

買い物依存症は、9割が女性であると言われています。

どちらかと言えば、男性よりも女性のほうが装飾品やファッションにこだわる傾向にあることと、ショップでちやほやされることに快感を得て、再びその快楽に身を置きたくなってしまうからと考えられます。

特に、夫との関係が冷め切っていたり、仕事がうまくいかず、対人関係でも悩みがちだったりする女性は、自分を褒めてくれる、頭を下げてくれる人がいるショップへと足を運んでしまうことがあるようです。

そして一歩ショップへ足を踏み入れれば、煌びやかな服や小物たちが出迎え、胸が躍ります。

ショップ店員はいつもニコニコしながら「似合いますよ」と言ってくれます。

言われるがまま試着し、気がつけば両手いっぱいに紙袋を提げて、アドレナリン大放出のまま店を出たとたん・・・ああ、またやってしまったと後悔の嵐が襲うのです。

買い物依存症であるかどうか自問自答してみる

買い物依存症

まずは、予備軍であるかどうか確かめてみましょう。

・収入と比較し、予算の範囲内で買い物できていますか?
・買った後、後悔はしませんか?
・買ったものは、その後必ず身に付けますか?

もしすべての答えが「NO」だとしたら、予備軍と言えるかもしれません。

買い物依存症の場合、「買い物をする」こと自体に快楽を感じるので、一度手に入った商品には興味が失せることが多いのです。

更に症状が進むと、カード限度額まで遣ってしまう、リボ払いを多用する、家には、紙袋に入ったままの商品が山積みになっている、買い物について家族と揉める、買った後はひどく後悔するのに、ブランドの受注会などがあれば行ってしまう、欲しいものがあるとイライラして我慢できず、再入荷するまで待ち続ける、他の店やネットで同じものを探しまくる、どこの店に何があるか細かく把握しており、あれを買ったから、合わせるためにあれも買うというように、綿密な予定を立てているなど・・・。

日々の生活の中で、買い物に関する事柄を考える時間が大半を占め、経済状況を把握して落ち込んでいたと思ったら、買い物を始めるとそんなことはすっかり頭から排除されてしまうといったことを何度も繰り返す場合、かなり重度であると言えるでしょう。

どうやったら抜け出せるのか

買い物依存症

買い物依存症は、薬物依存症よりも抜け出すことが難しいのでは?と言われています。

その理由として、自覚がない人が多いことが挙げられます。

特に衣類は日常でも必要なため「質の良い服を多めに買っているだけ」と感じているや、生活を蝕むような浪費があっても「確かに少し浪費癖があるけれど、病気と言うほどではない」と思っている人もいます。

また、自覚がある人も、その高揚感が忘れられず、ついショップに足を向けてしまう人もいます。

更に、現代ではネットの普及も手伝って、魅力的な商品が、いつでもクリックひとつで買い物ができる状況にあることで、誘惑が絶え間なく襲ってきます。

買い物依存症に陥っている当人だけではどうにもならない状況にあることが多いのです。そこで、周囲の人の手助けが必要不可欠になってきます

家族であれば、クレジットカードを取り上げたり、ネットなども、誘惑が目に入らないように工夫しましょう。

買い物以外のことに目を向けさせるため、景色の良い場所へ連れ出したり、スポーツを始めさせたりして、買い物をしなくてもストレスを発散させる方法があることを認識させて下さい。

最悪の事態にならないように

買い物依存症

買い物依存症になってしまう原因のひとつとして、寂しさ自己否定感があると言われています。声を掛け、気にかけてあげることで、症状が緩和されていくかもしれません。

それでも治らない場合は、心療内科または精神科へ連れて行くようにしましょう。気がつけば全財産を使い果たし、借金まみれといった事態にならないように、周囲の人は、早めに症状に気がついてあげましょう。

浪費してしまったことを責め続けるのではなく、それをセーブさせる方法を一緒に考え、心のケアにも努めていきましょう。