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性的な表現さえ苦痛を感じる性嫌悪症とは?

性嫌悪症

性嫌悪症という症状を知っていますか?性的な表現または性行為に強い嫌悪感を抱くことです。

程度は人によりますが、ある特定の相手とだけ性行為ができない場合と、誰であろうと拒絶してしまう場合があります。

原因は様々ですが、過去の経験で辛い思いをしたことや、誰かから性行為は汚いものであると教育されたことも一因となっているときがあります。

このままでは誰とも結婚できないと悩む人も多く、カウンセリングを必要としています。

性嫌悪症になってしまう主な要因

「男は汚い」と言われて育ち、性嫌悪感が沁みついてしまっている女性は、一番治療が難しいと言われています。

幼い頃、虐待されたり、性的いたずらをされたりした経験がある人も、その恐怖心を取り除くまでに時間が掛かると言われています。

男性の場合、結婚して妻を女性として見られなくなり「家族」という感覚に変わってしまうため、妻に対してのみ性欲を失うことがあるようです。(不思議なことに、男性の性嫌悪症は欧米ではほとんど見られないそうです)

女性の場合は、出産することで子育てに悩むあまり、夫の性的欲求を受け入れられなくなるケースや、子供の純粋さに接するうち、性的な事柄を不純で汚いものとして捉えるようになり、拒絶するようになるケースもあります。

いずれも、当人たちが改善を望む場合はカウンセリングや心理療法で治療をしていくことになります。

パートナーの性嫌悪症は深刻

夫、または妻が性嫌悪症で、もう片方は性愛者だとしたら、よほどどちらかが譲歩しない限り、離婚の危機を迎えてしまうことがあります。

子供が欲しいと思っても作ることができない、人工授精しようにも、それすら抵抗があるとなれば、子供を得たいパートナーとしては希望が絶たれてしまいます。

子供のことに限らず、パートナーとしてのスキンシップさえもままならないので、相手との深い溝ができてしまいます。

一方、性嫌悪症の人は、「治療なんかしなくていい」「治す気はさらさらない」と思っている人も多く、より一層理解し合うことは困難を極めることとなります。

「性的なものを避けても生きていける。そんなものにこだわるパートナーは汚い…」と思い始める人も少なくありません。

パートナーにできること

通常の性愛者であるパートナーは、性嫌悪症である相手の思いを受け止め、決して無理強いしないことが鉄則となってきます。

少しでも無理させてしまうと、より一層治りにくくなってしまいます。カウンセリングをじっくりと行ってくれる病院に通わせ、改善を気長に待つことが大切です。

性嫌悪症の治療は長期間かかる場合もあり、根気が必要です。決して焦らず、急かさず見守ってあげて下さい。

また、一年経っても二年経っても治らないこともあるのだと頭に入れておいて下さい。性嫌悪症の治療は、カウンセリングの後、性的な事柄に対する恐怖心や嫌悪感を取り払うために、少しずつ性的な表現に慣れていくという療法が行われることがあります。

性嫌悪症の人にとっては辛い治療ともなりかねません。

もし途中で治療を中断したいとの申し出があっても、大きな心で受け止めて休ませてあげましょう。

性嫌悪症を理解し難い人へ

例えばあなたが極度の高所恐怖症だとします。それを知っているパートナーが、鉄塔に登ってくれと懇願してきます。早く克服してくれと急かします。できないと言うと、治療に行ってくれと言います。

治療の一環として、少しずつ高い場所へ登る訓練があり、怖くて体が震えてばかりいます。治療を止めたいと申し出ると、パートナーから罵倒され、別れを言い渡されます・・・。

少しは心境を理解できたでしょうか。高所恐怖症と性嫌悪症は別物ですが、相手にとって恐怖の対象であることに変わりはありません。

性嫌悪症だからと言って、人間としてのあなたを拒絶しているのではなく、性的な事柄に対する嫌悪感を抱いているだけなので、人間としての、または男(女)としての自分を拒まれたと感じるのは間違いです。

パートナーと触れ合いたいという人にとってはとても辛い試練かもしれませんが、どうか一緒に乗り越えていって下さい。