うつ病・心の病

ペットが死んでしまい「悲しい」「やる気が出ない」…という方へ

ペットが死んだら

家族同然・・というよりも、むしろ「家族の一員」とも言える存在のペットの死は、飼い主にとっては、とても受け入れがたく、悲しいものです。

心に大きな穴が開いてしまうような辛い別れですが、よく「時間が癒してくれるというように、時が経つにつれて現実を受け入れるようになり、大切な思い出として気持ちを切り替えることができます。

しかし、中には半年経っても一年経ってもその悲しみから抜け出すことができず、鬱状態になってしまう人もいます。

どうしたらその苦しみが癒えるのでしょうか。

今回は、そんな心の病気「ペットロス症候群」についてお話します。

ペットロス症候群の症状

ペットを失ったことにより、強いショックを受け、深く悲しんで何日も泣くというのは、当然のことと言えるでしょう。

でも、何ヶ月経っても悲しみから抜け出せないどころか、何も気力がわかず、食欲もなく、塞ぎ込んでしまい、生活に支障をきたす場合は、ペットロス症候群と言える状態かもしれません。

ペットへの依存度が高ければ高いほど、そのショックは計り知れず、「あの子が死ぬわけがない」という強い拒否から始まり、悲しみに飲み込まれて身動きが取れなくなってしまいます。

また、ペットが死んでしまったのは、自分のせいではないだろうかと、自責の念に囚われていたり、別の問題を抱えて悩んでいたりする場合は、この症状が長引くことになってしまいます。

家族や友人など、とても大切に思っている人を失った経験がなく、ひどく落ち込むような挫折を味わったことがない人も、治るまでかなりの時間を要します。

ペットの死と向き合うことと、周囲の理解

最初は、何かの間違いでは?死ぬなんてあり得ない!と現実に起こっていることを受け入れられず、強いショック状態に襲われてパニックになります。

愛するペットの死を、事実として認められるまでには、長い時間と、気力を要します。

この時、周りの人が「たかが動物」という扱いをしてしまうと、周りに理解してもらえない辛さも加わり、治るまでに余計に時間が掛かってしまいます。

現実をしっかり見つめられるよう、周囲の協力が必要です。

できれば、飼い主と一緒に、ペットを弔い、送り出してあげて下さい。決して飼い主を責めたりせず、話をとことん聞いてあげて下さいね。

ペットロス症候群を克服するには

よく言われる克服法は、ペットを失った悲しみは、新たなペットで癒すということです。

確かに、新しいペットを迎え入れた場合、世話に追われているうちに心が癒されていた、というケースは多いのですが、まだショックが大きく、自分を責め続けているうちは、新しいペットと接したところで「この子もまた逝ってしまうんじゃないか」と悪いことばかり考えてしまいがちです。

ショック状態が幾分落ち着き、心の中で整理ができるまでは、無理に新しいペットを迎えないほうが良いでしょう。

辛いときは、とにかく気が済むまで泣きましょう。

泣くことは悪いことではありません。

たくさん泣いて、少し落ち着いたら、声に出してペットに話しかけてみましょう。

今までありがとう、大好きだったよ、など・・。楽しかった思い出もたくさん話してみて下さい。

不思議と、心が和らいできます。

死を受け入れるという儀式のようなもので、とても効果があります。試してみて下さいね。

ペットロス症候群を防ぐには

生活や、体に影響が出てしまうようなひどい症状に陥るペットロス症候群は、心の持ち方で、防ぐことができます。

まず、ペットを迎え入れたその日から「いつかは逝ってしまう」という認識を持ち、何度か頭の中でシミュレーションしてみることです。

想像しただけで泣けてしまうかもしれませんが、これは、心に予防線を張るという意味で、とても効果があります。

ペットはとても大切な存在ですが、飼い主であるあなた自身のことも、大切にしてあげて下さいね。

どうか、一日も早く、辛い悲しみが癒えますように。