「パニック障害」でパニック発作以上に厄介なのが「予期不安」と「広場恐怖」と呼ばれる症状。
当事者以外にこの病がなかなか理解されない理由の一つでもありますが、どのような症状を指すか、イメージできますか。
実は身近なこの病についての知識をつける事で、いざという時自分自身が、助けられるかもしれませんよ。
パニック障害、辛いのは発作だけでは無い!
パニック障害の症状であるパニック発作は、進行形で辛い状態にある患者が居る状態を見た人であれば、理解は出来なくても辛そうという事は理解できるかもしれませんね。
しかし、この病気において辛いのはパニック発作を繰り返すうちに出てくる他の症状も同様です。
しかし、それらは今まさに人体に危害が生じているという訳ではないというのもあり、「気にしすぎ」な状態である程度にしか理解されない事も多く有るようです。
次を恐れる「予期不安」
パニック障害においてパニック発作は死を身近に感じる程辛いものです。
死ぬような思いはもうしたくない…これは自然な感情ではないでしょうか。
パニック発作を繰り返すうち、発作が無い時も次の発作がいつ起きるかと不安に感じるようになり、その不安が消えない状態になります。
これが「予期不安」という症状です。
その不安から、仕事を辞めるなど行動に変化を及ぼす事もあります。
行動を狭める「広場恐怖」
また、発作が起きた時に逃げられない場所や助けが期待できない場所、恥をかくのではないかと感じる場所が苦手になるという症状もあります。
これが「広場恐怖」というもの。
特定の行動をする場所であったり、エレベーターや電車といった閉鎖空間であったりと、
人によって恐怖を感じる場所はそれぞれです。
また場合によっては広場以外にも外出するという行動自体が怖い「外出恐怖」などになる場合もあります。
広場恐怖が強くなると、行動に制約がでてしまう為、仕事や日常生活に支障をきたすようになります。
外出が減る事から交友関係が狭まるといった事もありますね。
一人で外出できない自分を情けなくなり、自己肯定感が低下するという影響もあるようです。
正しい診断と治療を受けましょう
まずは専門家にきちんと診断してもらう事です。
心療内科や精神科がパニック障害の専門となるわけですが、内科などで紹介された際、これらの専門外来にかかることに抵抗を示す人もまだ少なくはありません。
ですが、正しい自分の状況を知る事こそ改善の第一歩。
ストレスの多い現代社会、メンタルヘルスの疾患はマイナーな物ではありません。
どうか気負いせず、受診をしてみましょう。
また納得がいかず、セカンドオピニオンを受けることは悪い事ではありませんが、一度信頼出来る医師を見つけたら継続して治療をうけることも非常に大切なことです。
自分でできる不安のマネジメント

薬物治療をうける傍らで、自分でもできる事があります。それは不安のマネジメントをする訓練をしていく事です。
リラックス方法について学ぶこと、ヨガやアロマなどに取り組んでみるのも良いでしょう。
パニック発作が薬で抑えられるようになったら、認知行動療法に取り組むことも治療のひとつです。
自分が苦手な事について低いハードルから順番に克服していく方法で医師と相談しながら少しずつ挑戦していくことで、最終的には元の生活を取り戻すことができるようになります。
また、発作が起こりそうになった時に効果的な自分だけのおまじないを作る、お守りになる何かを持ち歩く等の工夫によって生活はしやすくなっていきます。
不安から逃げるのではなく、不安への対処法を身につけることで生活の質は大きく向上するのです。
(writer: MiDo)