強迫性障害ってご存知ですか?
“強迫観念にとらわれ強迫行為をする”強迫性障害には、強迫観念と強迫行為という二つの症状があります。
多くの場合、二つの症状が互いに影響しあっています。しかし、そのどちらかだけがあるという人もいます。
強迫観念とは?
「自分を傷つけてしまうかもしれないという恐れ」
「他人を傷つけてしまうかもしれないという恐れ」
「恐ろしい場面や状況が頭に浮かんで離れない」
「近所で何か事件があると自分が原因で何か起こったのではないかと心配になる」
「汚れやばい菌に対する過剰な反応と心配」
「他の人に悪いことをしてしまうのではないかという恐れ」
「大切な物を捨ててしまったらどうしようという恐れ」
「善悪に関する異常な心配」
「幸運な数、不運な数が決まっており、異常に反応する」
「病気に関する異常な心配」
「適切な言葉をつかっていないのではないかという心配」
「知らないうちに誰かを傷つけているような気がする」
「人と通り過ぎる際、ぶつかり怪我をさせてしまっていたらどうしようという不安感」
などなど。
繰り返ししつこく頭にこびりついている考えや衝動によって、不安や恐怖などを引き起こすものです。
それを止めようと思っても頭から離れない為、止めることは出来ません。他にも人により、様々な症状があります。
強迫行為とは?
「戸締りをしたのか何度も確認する」
「ガスの元栓を閉めたのか何度も確認する」
「出かける際、忘れ物をしたのではないかと何度も確認する」
「近所で何か事件があると自分がやったのではないかと確認しに行ったり、人にも聞いてしまう」
「車、自転車、徒歩で人とすれ違う際、ぶつかったのではないかと思い、何度も確認しに戻る」
「見えないはずのばい菌が見えるような気がして、何度も掃除をしたり、除菌を繰り返す」
「仕事中にミスをしたのではないかと何度も確認する」
などなど。
強迫行為が続くと精神的にとても疲れ、時間が掛かってしまいます。また、強迫行為の途中で声を掛けられたり邪魔をされるともう一度やり直さなければならないという悪循環に陥ります。
発症に影響を与える要因
原因は特定できないそうです。
主に、発達上の要因、脳の働き、心の病、性格、ストレス、人間関係、考え方、環境の変化、事件や事故といったトラウマなどが挙げられますが、まだ良く分かっていない面が多いのです。
脳神経に原因があるのか
強迫性障害では、その神経伝達物質の一つであるセロトニンに作用する薬に効果が見られることから、脳内のセロトニンが十分に機能していないことがこの病気に関連していると言われる事があります。
脳から間違った指令が出ているということが原因なのです。強迫性障害の人は、脳神経の誤った働きによって、実際は危険ではないのにもかかわらず、危険だと思わされているのです。
強迫性障害の治療法とは
薬物療法と認知行動療法が行われます。それによって、適切な治療を行えば、回復が期待できる病気になってきました。強迫性障害の薬物療法で主に使われるのは、うつ病などの治療にも使われる抗うつ薬です。
認知行動療法とは、行動を変えることで症状を減らしていきます。心理学を用いた治療法なのです。まずは、計画を立て、少しずつ目標に向かって進めるように導いてくれます。最初はなかなか難しい事もありますが、何度も何度も繰り返すうちに自然と受け入れることが出来るようになっていきます。
強迫性障害は、すぐに治るわけではありません。時間はかかりますが、薬物療法と認知行動療法を用いて少しずつでも良い方向へ進んでいきたいものです。