皆さんは人前で話をする時緊張されますか?
きっとこの記事を見ている多くの方が、そのような緊張をした経験があると思います。緊張の度合いは人それぞれですが、「人前で緊張をしないようになりたい」という願望を持っている方は非常に多いです。
学生生活もですが、社会に出てからも人前でしゃべるシチュエーションは増えてくるので、大人になってからもこの”緊張”に悩まされる人が多いのではないでしょうか?
「年齢を経たら緊張なんてしなくなっていくんだろうな〜」と考えていた人も、学生時代と変わらない緊張感、あるいはさらに強い緊張感から悩まされている人が非常に多いんです。
緊張感が軽く、その場以外で引きずる事がなければあまり気にする事はありませんが、一度失敗をしてしまうとどんどん緊張してしまうのがたちの悪いところですね。
極度の緊張状態になると、身体や心に異変が生じる事もあるのです。これから人前であがりやすい特徴と共に起こりうる病気について考えていきます。
目次
「緊張しやすい」あがり症の人の特徴とは

あがり症の人は、とにかく人前でのプレゼンやスピーチが苦手です。
それをしなければいけないと決まった日から、当日まで、頭の中は「どうしよう、嫌だな」と不安を感じてしまいます。
その大事な日の前日はよく寝付けなかったりする事も多く、さらに当日大勢の人の意識や視線が自分に集中していると思うと、頭が真っ白になり、手が震え声も震え、冷や汗をかいたりする事もあります。
そのため、本来伝えなければいけない事柄をしっかりと伝えられず、周囲からも力不足と思われてしまいます。
「普段はもっとうまく喋れるのに」「もっと実力があるはずなのに…」と学校や会社、またはスポーツの場などで緊張に負けてしまったという人も多いのではないでしょうか。
大勢の人前だけではなく、初対面の人との会話や、電話応対、上司への報告などでもその症状が現れる人もいます。
「あがり症」は個性のようなもので、病気と言えるほどのものではないのですが、症状が重く、社会参加もままならないという人は、「社会不安障害」という精神疾患である可能性もあり、それほど症状が重い場合は治療が必要となるケースもあります。
そもそもなぜ緊張する?あがり症になる人とならない人の違いとは

なかには反対に大勢の人の前でスピーチしても、冗談を交えながら堂々とこなせるような人もいます。
「あの人は人前でもいつも堂々としててすごいな〜」というような、一見緊張していないように見える人との違いはなんなのでしょうか?
あがり症・緊張しやすい人はこういった特徴があります。
・元来の性格が生真面目
・責任感が強い
・完璧主義者
・自己評価が低い
・過去にトラウマがある
プライドが高く、完璧主義な人にも緊張しやすい傾向が見られます。
過去にちょっとした失敗をしてしまった、人からバカにされたという経験がトラウマになっており、心の底に沁みついてしまっている人もなりやすいと言われています。
どちらにしろ、「責任を果たそう」「頑張ろう」という気持ちが強いために起こりやすいと言えるので、あがり症によってその力が十分に果たせないことに、より一層苦痛を感じてしまうことになるのです。
頑張ろうとすればするほど、悪循環に陥ってしまいます。
緊張しやすいあがり症の症状とは?

人前で話す際以下のような症状はありますか?
・緊張で手や足が震える
・平常心を失い混乱する
・発汗、めまいを感じる
・声が出しづらくなる
・赤面、心臓がドキドキする
・頭が真っ白になり何も考えられない
等々。
「当てはまる項目がある」という方も多いのではないでしょうか。
緊張しない様に意識しても「いざとなると緊張してしまう」という現実があります。あがるというのは「緊張症」であるという事です。
中には「人前でなくても普段人と接するだけど緊張してしまうという人」も大勢います。「口がプルプルと震えたり、声が震える事などしょっちゅう…」という方も多いでしょう。
目線を合わせるのが怖かったり、顔や声に震えが生じるという方は、あがり症・緊張症である可能性が高いといえます。
あがり症・緊張症とは、特定の状況で感じる不安の事です。
人前で話したり、注目を浴びると強い不安感を感じたり、対人の場合である事が特徴です。仕事の面接、発表会、職場での会議など様々な場面があると思いますが、日にちが迫ってくると、上手くやることができるのかと不安になります。
また「緊張をする」という背景には、過去のトラウマなども関係してきます。
過去のトラウマとはどういう事か?緊張をしてしまうほどのトラウマとは例えばこういったものです。
あがり症のトラウマ一例 : ピアノ発表会での失敗

トラウマとして多いのでこのケースです。
ピアノや小学校時代の歌のテスト、リコーダーのテストなど、幼少期に人前で発表をする機会って多いですよね。
ピアノを例に挙げると、会場に行くと周りの人がピアノを弾く一人に注目をしている、その様な環境が怖くて受け入れられないという人が非常に多いようです。
順番が回ってきた時、大きな緊張感の中で頭が真っ白になってしまいます。
練習の時はきちんと弾けていた曲の途中で、弾き方が分からなくなり、空白の時間が出来てしまったりします。その時間はとても長く感じ、その後もピアノの発表があるたびに極度の緊張を感じるようになってしまう…。
上記のケースではピアノを例に出しましたが、もちろん教室での歌の発表や球技の試合など、誰にでも当てはまるケースがあるかと思います。
このように人は一度失敗してしまった部分を思い返し、「また失敗したらどうしよう」という不安感が緊張へとつながってしまいます。
「人前スピーチで未だに緊張する」という人も、過去に大勢の前でスピーチをする際に恥ずかしい思いをした経験があるのではないでしょうか。
度を過ぎた緊張が招く、不安障害

「社会不安障害」という言葉を聞いたことはありませんか?
社会不安障害とは、人前で話をしなければならないとき、極度に緊張感が高まってしまい、手足が震えたり、大量に汗をかくなどの症状が現れます。そして、そんな自分に対し、「周りに変だと思われるかもしれない・・・」と、強い不安や恐怖を感じてしまうのです。
社会不安障害は、人前で話す場面でこのような障害が出てしまうだけでなく、「またあの状態になってしまうのでは・・・」と考えただけで強い不安や恐怖を感じてしまい、人前に出ることを避けるようになってしまうのです。
社会不安障害の症状は、自分でも普通じゃないと感じるほど強いものです。おかしいとわかっていても、人前で話していると、恐怖や不安でその場から逃げ出したい気持ちになり、どうしてもその症状が抑えられなくなります。
社会不安障害の特徴は、その不安や恐怖を避けるあまり、行ける場所やできることの範囲が狭くなり、社会生活を普通に送ることができなくなってしまうところにあります。
緊張すると顔が赤くなる : 赤面恐怖症

人前で話すと緊張して、顔が赤くなってしまうことがありますよね。
脳が緊張を感じると、ドーパミンという脳内物質が分泌され、交感神経が優位に働いて動悸が早くなります。すると体の血流が良くなり、皮膚の薄い顔は特に、赤くなりやすいのです。
顔が真っ赤になると、周りの人に「あ、緊張して顔が赤くなっている」と思われているのではないか、という恥ずかしさや不安から、恐怖を感じてしまうのです。
これば誰にでもあることですし、特におかしいことではありません。しかし、子どものころにからかわれたなど、顔が赤くなったことで恥ずかしい思いをしたというトラウマがあると、そのことを異常に気にしてしまいます。
顔が赤くなることは、緊張して交感神経が優位に働き、血流が激しくなることで起こります。顔が赤くなってしまいやすい人は、そのような時には深呼吸をして、副交感神経を優位にして落ち着きを取り戻すことで、改善することができます。
周りの目を気にしすぎる : 対人恐怖症

あがり症は対人恐怖症という言葉にも言い換えれれます。
対人恐怖症は、周囲の目が異常に気になり、他人が自分のことをどう思っているのかが不安で仕方なくなってしまいます。
実際、誰かに自分のことを悪く言われたり、注意されたわけではないのに、勝手に自分が思い込んでしまうのです。そして、人前に出ると以上に緊張し、視線や自分に対する評価を恐怖に感じ、人間関係を築くことができなくなってしまいます。
対人恐怖症の改善方法は、気にしないことです。なるべくリラックスするようにして、人の視線より、自分が楽になることに集中しましょう。自分が思うほど、人は他人のことなど気にしていないものです。
あがり症や対人恐怖症や幼少期の体験や家庭環境などにも左右されると言われています。
行い頃に「◯◯は人見知りだからな〜」などと、両親が何気なく言った一言などがその後の性格形成を大きく左右する可能性があります。人前が苦手でシャイで内気な性格な子供、あるいは友人がいても、そのようにネガティブな発言は控えるようにしましょう。
また評価も気になり、相手がどの様に感じているのかと反応が怖くなったりするのです。
そういう場面であれば、誰もが緊張感を持ちますが、強いものでなければなんとかやりすごす事ができます。しかし、身体症状が激しくなると、また同じ場面が起こるのではないかという恐怖心に陥るのです。
周りの人から見ると、分からない様な症状である場合と周りに分かるような症状もある為、周囲に気付かれてしまうことで、大きな緊張感と不安感に襲われてしまうのです。
緊張からくる汗がすごい : 発汗恐怖

人前に出ると過度に緊張して、異常なほど汗をかいてしまうタイプの恐怖症です。
頭から滝のようにぽたぽたと汗をかいたり、タオルを持っていないとびしょびしょになるほど手のひらから汗が出たりする症状が出ます。そして、このような異常な発汗が起こることを恐怖に感じて、人前に出ることができなくなってしまうのです。
このような症状を抑えるためには、やはりリラックスすることがポイントになります。深呼吸で呼吸を整え、汗が出ることや、人の視線を意識しないようにしましょう。
これらの緊張を治す方法はあるのか?

あがり症・緊張しないための対処法には、コツがあります。
キーワードは、自己暗示と意識の方向です。
あがり症の人は「これまでのプレゼンでもあがってしまった」「またあの緊張がやってくる、どうしよう・・」と、過去の経験ばかりに囚われてしまい、緊張した事実だけが頭の中を占めてしまいます。
大切なのは、過去ではなく今の自分です。
そして、プレゼンで本当に言いたいことをまとめた資料や、スピーチで念入りに書き進めた原稿があるはずです。それは、紛れもなく自分が責任感を持ってこなしてきた作業であり、努力の賜物でもあります。
そして今「緊張する自分」とばかり向き合っている意識を、資料や原稿の内容に向けるようにして下さい。
これほどの努力は「自分だからできたのだ」と自信を持ちましょう。
あがり症にとって強い味方は「思い込み」だと言われています。自分はここまで努力してきた、自分だからこそ出来たという自信を、強く持ち続けることが大切なんです。
もしまた緊張してしまったとしても「自分は責任感が強いのだから緊張するのは当たり前だ。」と肯定的に捉えるようにしましょう。
繰り返し、自分を褒め続けることで、否定的な自分や、失敗への恐れが徐々になくなってきます。元々極度のあがり症だったという人の中には、このような自己暗示によって、人前に出ることがむしろ快感になったという人もいるのです。
そしてもうひとつ、緊張をほぐす方法に「行動を変える」という対処方法が有効という話があります。
手の動きや声色を変える事を意識する事で、自分が緊張しているという事をカモフラージュさせるうちに、自然と緊張している事を忘れたりする事があります。
普段から緊張した体である人は、夜何度も目が覚めたり、寝つきが悪かったり、音に敏感であったりします。その為、ご自身がリラックス出来る環境作りは大切です。
また、呼吸法もあります。腹式呼吸で5秒かけて息を吸った後、10秒かけてゆっくり息を吐きます。普段から行ってみましょう。他には、セロトニン原料のタンパク質として、豚肉、鶏肉、卵、牛乳などが良いとも言われています。
人が緊張してしまう理由は様々ですが、多くは過去の経験やトラウマ・思い込みからくるものが多いです。自分の考え方を変えたり、場数を踏むなどして、自分に自信を持つ事が重要です。
緊張をしないために必要なこと
今回は、人前で緊張しすぎて起こる症状と、その対処方法についてお伝えしました。少なからずどれか一つは、誰にでも経験があるのではないでしょうか?
人前に出て異常に緊張すると、ネガティブなことを考えてしまいます。そうすると、不安や恐怖に襲われやすくなります。緊張を感じたら、逆にその緊張を楽しんでみませんか?
緊張ではなく、ドキドキだと思い、ポジティブな発想に変えていけば、恐怖や不安は消えてしまいます。急には無理でも、少しずつでも意識を変えていくことで、きっと変わることができるはずです。
心療内科で薬を処方して頂ける事もありますが、ご自身の心に向き合ってみませんか?否定的な心をケアするのです。自己評価を下げる必要はありません。皆さんが頑張っているという現実があります。それを受け入れて頂きたいのです。
もっと頑張らなくてはと追い詰めていませんか?あなたは、十分頑張っているのです。そのままでいい、周りの方には、伝わっているはずです。もし、自分を見失ってしまったり苦痛が続くようであれば、すぐに病院で受診をされることをお勧めします。あなたの身体と心の安全を考えた上できちんと対応していただけます。
「緊張をするからって病院に行くのは恥ずかしい」という人がいますが、一度話を聞いてもらうと楽になる事もあるので、ぜひ一度訪ねてみてください。