公共の場所が無理!何から何まで消毒しなくては無理!みんなで鍋なんかつついたら死んでしまう!
こんな潔癖症な人、周りにいませんか?もしかしたら自分に当てはまるかも・・と思った人もいるのではないでしょうか。
重度の潔癖症は、実は強迫性障害(OCD)という病気なんです。
今回は、潔癖症になってしまう原因、主な症状、治療法などについてまとめてみました。
潔癖症と、きれい好きの違いは?
明らかに違うのは、きれい好きな人は、掃除や片づけを好きでやっているということです。
片付いたら気持ちいいから要らない物を捨てる、ピカピカな床が好きだから磨く、という具合に、清潔を保つことを喜びとしています。
ところが、潔癖症の人と言えば、菌が繁殖するような気がするから、触るものすべてを除菌する、外気から菌を持ち込むから誰も部屋に入れない、など強迫概念にかられています。
やりたくないのにやらずにいられない、終わりが見えず、気分が晴れない・・ここにきれい好きな人との大きな違いがあります。
潔癖症になってしまう原因は何?
育った環境が大きく関係していると言われています。
幼い頃から、厳しすぎる親に育てられた場合や、何かひどく不潔なものを触ったり見たりした経験がトラウマとなっている場合あるようです。
どの程度の症状なら病院へ行くべき?
潔癖症と言っても、軽度から重度まで、人によってその度合いは様々です。
飲み物の回し飲みはダメ、公共のトイレは除菌しないと座りたくない、満員電車で人とくっつくのが苦手、ここまでなら、まだ症状としては軽いほうかもしれません。
それよりも重くなってくると、電車やバスのつり革、会社のドアノブには、ティッシュなしには触れない、万が一触ってしまったら、手を洗わずにいられないという状態になります。
さらにひどくなると、外だけではなく自宅でも症状が出るようになり、外から菌を持ち込むのを避けるため、帰宅したら風呂場へ直行し、シャワーを浴びて部屋着に着替えるといった行動が日常化されます。
それまで着ていた服は無論すぐ洗濯し、バスタオルやバスマットはそれぞれ別々に洗濯します。
菌が繁殖する恐怖から、シャワー後の風呂場はその後一時間かけて掃除、換気します。
家の中でもティッシュを挟んでドアノブを回し、リモコンというリモコンすべてをラップでくるみ、そのラップも一時間ごとに取り換え・・・こうなるともう、自分でも歯止めがききません。
そしてもっとも厄介なのは、そのような行動を、家族や周りの人にまで強要してしまうということです。
当然、まともに生活が成り立たなくなり、日常に支障をきたします。
最初は平気だったものもダメになってきた、というように進行が見られるようであれば、なるべく早く病院へ行くようにしましょう。
潔癖症は治る?治療法は?
治療法としては、薬物療法や認知行動療法がおこなわれます。
認知行動療法は、「あえて汚いと思う物を触ってみる」といった、絶対に無理!と脳内にインプットされているような事に立ち向かう訓練です。
もちろん、始めから「みんなと鍋をつつけ」といった難易度の高い訓練はしません。
「このボールペンは、みんなが使っているものです。少しだけ触ってみましょう。」という具合に、少しずつ、難易度の低いものから挑戦し、触ったからといって何も困ったことは起こらないということを自覚させていきます。
訓練を繰り返していくうち、徐々に平気と思えることが増えていくでしょう。
症状が重い場合は、薬物療法で恐怖心を取り除いてから、認知行動療法をおこなう場合が多いようです。
結論:とにかく病院へすぐにいこう!
症状が悪化している人に限って、病院へ行きたがらないものです。
なぜなら、病院こそバイキンだらけだから!菌の溜まり場へわざわざ足を向けるなんてとんでもない!隣で咳なんかされたら死ぬ!と恐怖におののくあまり、自身の症状に苦しみながらも病院へ行けずにいるのです。
マスクを三重にしてもいい、椅子に菌があるように思えるなら、待合室では立ったままでいい、除菌シートとティッシュを山ほど持って行ってもいいので、勇気を出して病院へ行きましょう!
潔癖症は必ず治る病気です。しっかりと治療を受けて、洗いすぎてボロボロになった手や、菌に対する恐怖心で疲れ切った心を労わってあげましょう。