高齢化の進む日本にとって、認知症は今や国民病といっても過言ではありません。
認知症という病気について知らないという人はおそらく居ないかと思います。
ではどういう症状が出たら認知症であるか、すぐに答えることはできますか?
認知症は記憶に関する障害ですが、誰しも物事を忘れてしまう経験はした事があるはず。
では認知症のそれとの区別はどこでつけていけばいいんでしょうか。
認知症は決して他人事なんかじゃない!
認知症は非常に有病率の高い病気。決して他人事ではありません。
現在85歳を超えると日本人の4人に1人が認知症であるという現実もあり、長寿国である日本ではこれからの社会が抱える課題として注目を集めている病のひとつです。
おそらくあなたの周りにも認知症の人が誰かしらいるのではないでしょうか。
若くても油断は禁物!
認知症と言うとどうしても高齢者のイメージが強いかもしれませんね。
「まだ自分は若いから」という人も居るかもしれません。
ですが若くても脳血管障害や若年性アルツハイマーにより認知症になる事はあります。
65歳未満で発症した認知症を若年性認知症といいますが、日本国内だけで4万人近い人が若年性認知症で苦しんでいるという調査結果もあります。
いったいどこからが認知症?
この認知症の症状は「物忘れ」。では認知症の物忘れと一般的な物忘れ、見分けるポイントはあるのでしょうか。
はっきりとした判別は難しいというのが現状ではありますが目安としてはこのようなものがあります。
1つめは物忘れによって日常生活に支障をきたしているかどうか。日常生活に関係のないことを思い出せないのは正常の範囲ですが、人との約束や良く通る道の道順などがわからなくなったというのがこれに当たります。
2つめは自分が忘れっぽくなったことを自覚しているかどうか。もし、自分の物忘れが自覚出来ておらず話の中でつじつまをあわせようとするようになったら要注意です。
3つめとして、物忘れの範囲が物事の全体であること。ある出来事の一部を忘れるのは正常の範囲ですが、その出来事全てを忘れてしまうのはもしかしたら認知症の兆候かもしれません。
それ以外にも、新しいものを覚える事ができない、人格の変化を周囲が感じる等の症状が見られたら要注意です。
認知症の手前、軽度認知障害
認知症まではいかなくても、物忘れが通常より強いと感じたなら軽度認知障害の可能性があります。
これらの特徴に当てはまらないかチェックしてみてください。
・同年代の人に比べて物忘れの程度が高い。
・物忘れが多いという自覚がある。
・日常生活にそれほど支障は生じていない。
これらに加えて言葉が出てこない失語の症状や対象を正しく認識できない失認の症状、できたことが出来なくなる失行、計画通りに物事が実行出来ない実行機能の障害などがある場合は軽度認知障害にあたるとされています。
早めの受診が鍵!

認知症や軽度認知障害が疑われる場合は早めに専門医を受診しましょう。
認知症は研究も進み、進行を遅らせる薬の開発も進められています。
完全に治すような治療法はまだ有りませんが、薬を使う治療・使わない治療それぞれの研究が進んでいる今、本人の為にも、そして周囲の負担軽減のためにも専門家の援助を受けながら付き合っていきましょうね。
(writer: MiDo)