認知症は私達日本人にとってとても身近な病です。
歳を重ねていくと、どうしても心身の不調は多くなるものですが、「出来る事なら周りには迷惑をかけたくない。」「ボケたくはない。」これは皆が思うことなのではないでしょうか。
では、その為にあなたは何か実際に対策をしていますか?
効果的な予防法について紹介していきたいと思います。
85歳以上の4人に1人は認知症
歳をとると認知症になりやすくなるというのは感覚的にわかるかもしれないですが、実際どれだけの人がかかる病気かはご存じですか?
65歳以上70歳未満の人の有病率は1.5%なのに対し、85歳を過ぎるとなんと27%の人が認知症になるんです。
つまり4人に1人が認知症患者ということですね。
今現在、65歳以上の認知症患者は既に240万人を超えるというデータがある上、東京オリンピックが開かれる2020年には認知症患者が300万人を超えるとの推測もあるんです。
少しでも認知症を防ぎたいなら
出来る事なら認知症になりたくないという方が大半かと思いますが、ではどうしたら発症を防ぐことが出来るんでしょうか。
認知症を予防することは大きくわけて2つに分類することができます。
ひとつは認知症になりにくい生活習慣を心がけること。
そしてもうひとつは認知症によって落ちる能力を簡単なトレーニングを行うことで鍛えていく事です。
認知症になりにくい生活習慣って?
認知症のおよそ6割を占めるアルツハイマー型の認知症の発症には、生活を取り巻く環境の影響が非常に大きい事が近年の研究であきらかになってきました。
まずは食事。ビタミンCやE、βカロチンを多く含む野菜や果物、DHAやEPAを多く含む魚、そしてポリフェノールを含む赤ワインなどは認知症予防に効果があるとされています。
運動も大事です。週3日以上の有酸素運動をしていますか?
人との付き合いを多くもつ事も非常に大切です。
また文章を読んだり書いたり、ゲームをしたり、興味がある場所へ積極的に足を運ぶなど、いわゆる頭を使う事を積極的にするようにしましょう。
最後は睡眠について。30分未満の昼寝をとる事と起床後2時間以内に太陽の光を浴びる事が認知症予防に良いんだそうです。
いかがでしょうか。是非、自分の生活を見直す際の参考にしてみてください。
認知症で落ちる3つの能力
認知症という病気ではその前段階で落ちてくる能力が3つあることがわかってきました。
それは「エピソード記憶、注意分割機能、計画力」という認知能力です。
エピソード記憶とは、体験したことを記憶として思い出す能力。
注意分割機能とは、複数の事を同時にする際、適切にそれぞれに注意を配る能力。
そして計画力は、新しい事を始めるとき、段取りを決め、実行していく能力です。
これらの能力を鍛える事によって認知症の発症を遅らせる事ができるんだそうです。
日常の中で出来るトレーニング方法
エピソード記憶のトレーニング方法として、2・3日遅れの日記をつけてみたり、レシートを見ないで思い出して家計簿をつけてみたりという方法があります。
注意分割機能については料理を数品同時進行で作ってみたり、相手の表情や気持ちに注意を向けながらお話をしたりするのも良いかもしれませんね。
計画力については旅行の計画や効率のよい買い物の計画を立てる事以外にも、頭を使うゲームをしてみると良いでしょう。
また、やり慣れた事だけではなく新しい事にどんどん挑戦する事も大事です。
軽度のうちから診断を受けておくメリット
認知症予防において一番大切なのは、もし認知症の兆しが見えたら出来るだけ早期に専門機関に相談をする事です。
認知症の前段階である軽度認知障害の段階で専門機関にかかる事は症状の進行を遅らせる以外にもう一つ大きなメリットがあります。
それは、自分の治療に対する希望を医師に伝える事ができたり、家族と方針について相談する猶予ができたりすることです。
今は自宅でパソコンを使って出来るチェックテストなどもありますので、大事な認知症予防のひとつとして定期的にセルフチェックも行いましょう。
(writer: MiDo)