認知症のあの人、どう付き合っていけば良い?
認知症の親族、配偶者を持つ人の人数は、認知症の患者が増えれば増える程増えていくもの。
運よく今、認知症の患者が周囲に居ないあなたも、いずれ人生のどこかで認知症患者を支えなくてはならないシーンが出てくるでしょう。
認知症になってしまった人と接する時、私達はどのような点に注意する必要があるのでしょうか。
今の時代を生きるにあたり身につけておくべき心構えを紹介しておきます。
認知症の自覚はちゃんとある!
「認知症の人は記憶力も悪いし自分が認知症であることなどわかっていない。」そう思うかもしれませんね。
しかしながら、そう決めつけてしまうべきでは有りません。
勿論症状が重篤化してくると、自分の状態すら認識出来なくなってしまうことも有りますが、初期の場合はこの限りではないからです。
最初に認知症の症状に気づくのは本人です。
今まで当たり前に出来ていた事が出来なくなる、それを繰り返すうちに何かがおかしいと感じるのです。
認めたく無くて当然
しかし、人によっては「物忘れなどしていない」という発言をする場合もあります。
症状を指摘して激高された、などというケースも多く聞かれますよね。
これは早期の治療を受けさせたい家族など周囲の人にとっては非常に困る言動です。
ですが、これはある意味当たり前のことでしょう。
本人にも他の認知症患者の物忘れの酷さに対する認識や知識があります。
自分の物忘れに多少は気付いていたとしても、「自分はあんなに酷く無い」という思いが出てくるでしょう。
また、認知症は感知を目指せる病ではありません。
症状を病気によるものであると認める事で、自分の未来の姿を直視することに繋がるのです。
認めない事は不安や悲しみややり場のない怒りの表れだと考えると、その気持ちに少し寄り添うことができるかもしれません。
個性は有り続けることを忘れないで
認知症になった人は、病気になる前、どんな人でしたか?
何が好きで、どんな話をよくしていましたか?
認知症になると、どうしても画一的な対応をしがちですが、認知症の患者も一人一人違う背景を持ち、人格を持った一人の人間です。
ただの「認知症の人」ではなく、あなたの知っている「Aさん」が認知症という病気になった。
長く介助を続けていると忘れがちかもしれませんが、出来るだけこの事は忘れないで居たいものです。
認知症でも住みやすい社会に!
認知症は他人事ではありません。いつか自分がなるかもしれない病気です。
介護の問題と捉えるのではなく、是非、自分だったらどう生き抜くか。どういう援助をして欲しいか考えてみてください。
認知症の患者さんも症状や考え方は人それぞれ違います。
その人にあわせた、自然な援助をすることができれば良いですね。
今身近に認知症の人は居ないというあなたも高齢化社会の先頭を走る日本に住む一人の個人として、自分ができるさりげない援助について、日ごろの生活の中でも考えてみてください。
一人一人の援助はさりげない、些細なものかもしれませんが、それらが社会全体に広がればきっと認知症になっても生活しやすい社会が出来上がるのではないでしょうか。
(writer: MiDo)