あなたは考え事をする時など、無意識に目を閉じている事はありませんか?
人はどうして目を閉じる事があるのでしょうか?「目」からは多くの情報が入ってきます。目から入った情報はそのまま脳で処理され、しぐさや感情に影響します。
目は重要な情報収集器官である訳ですが、その目を閉じるという事は、脳を一時停止させようとしている状態です。
「これ以上は考えたくない」
「これ以上聞きたくない」
「心配だ」
「恐怖を感じる」
などネガティブな感情が関係している事が多いのです。
強制的に目を閉じ、外の世界からの刺激を一時的にシャットダウンして、気持ちの余裕を作り出そうとしているのです。
完全に目を閉じた状態だけでなく、細めた目にも当てはまる事があります。いくつかの目の閉じ方のパターンと、そのしぐさから読み取れる心理をご紹介します。
目を閉じて話を聞く

相手が目を閉じていると、話を整理しながら聞いているようにも取れます。しかし根底には、不快感情が隠されている事が多いと解釈されています。
ギュッと目を閉じて聞いているなら、「これ以上は聞きたくない」と感じていたり、恐怖や不安を感じていると思ってよいでしょう。
上司に叱られている部下が下を向いて目を閉じている光景を思い浮かべて頂くと分かりやすいかもしれません。
どんな心情を想像しますか?
「早く終わって欲しい」
「怖い」
と言った所でしょうか。
相手が目を閉じている時に、それ以上は話しても届かないかもしれません。脳を一時停止させている状態ですから、内容をきちんと把握してもらうのは難しいでしょう。
また講演会やプレゼンテーションなど不特定多数に話す時に、聴衆の中に目を閉じて聞いている人がいたら、もしかして内容に不快感を抱いてるかもしれない・・・不適切な内容は無いか?と振り返る参考に出来るかもしれません。
目に手を当てる

会話の途中で、相手がちょっとだけ目に触れるしぐさを見た事がありますか?一瞬なので見落としやすい行動です。
「目を閉じる」とは少し違う気がするかもしれませんが、目を隠そうとするしぐさに近いですし、目を細めながら目に触れていることが多いです。
やはり不快な感情が隠されているしぐさだと言われます。心配な気持ちや、「ちょっと違うんだけどな」と意見の食い違いを飲み込んでいたりする場合があります。
すぐに消えてしまうしぐさなので、目に付きにくいかもしれませんが、このしぐさがを見たら何か不快感を与えていないか注意が必要です。
手でまぶたを押さえる
男性に多いしぐさです。
「目が疲れたのかな?」と思ってあまり気に留めないかもしれません。本当に目が疲れただけの場合もあるでしょうが、そうではない場合は強い不快感情の表れです。
「今の情報は、聞きたくなかった」という強い意思表示の表れで、相手にも伝わりやすいしぐさです。
相手の感情に配慮し、必要以上に強引に話を進めるのはやめた方が良いでしょう。
瞬きの回数が増える

目を閉じると言うと、すぐ思い浮かぶのは「瞬き」という方も多いでしょう。
人間は乾燥やホコリから目を守るために一日に何度も瞬きをしますが、瞬きの回数が増える時は知らず知らずのうちに、本人の心の葛藤が表れている事もあります。
嘘をつく時に瞬きが増えるのは有名です。他にも興奮したり、イライラしたり、心配な事があったり、困った状況に置かれた時も、自然に瞬きが増える傾向があります。ですから「瞬き=嘘」とは決め付けないほうが良いでしょう。
あくまで傾向であって、困惑している、どうして良いか分からないという心理もあり得ます。
目にゴミが入った、目が乾燥した、コンタクトがずれた・・・などの外的要因が無く、突然瞬きが増え出した時は、嘘を付いている!とまでは決め付けにくいですが、相手の心理状態に何らかの変化があったと考えられます。
いかがでしたか?
目を閉じるというしぐさはすぐに消えてしまう事が多いので、気付きにくいものですが、背景には強い不快感や不安、恐怖が隠れている事も多いので注意が必要です。
また少し話しは逸れますが、自分が何かと目を閉じたくなる場合は、心が疲れている事もあり得ます。冒頭でも書きましたが、目を閉じるのは外からの刺激をシャットダウンしようという行動です。
心が疲れていると、音や光、様々な刺激に過敏になり疲れを感じやすくなります。そのために電車の中や、映像を見ている時、セミナーに参加している時など、眠い訳でも無いのに「目を閉じておきたい」と頻繁に思うのであれば、脳が少し疲れているかもしれません。
最小限の情報処理能力しか残っていないかもしれません。心の病の入り口に立たないためにも、自分が少し刺激に敏感になっているのに気付いたら休養も必要です。
「目」というと、視線の動きに注意が行きがちですが、「目を閉じる」というしぐさにも様々な心模様が隠れています。
どちらかというと、後ろ向きな感情の表れである事が多いですが、だからこそ、自分のしぐさであれ他人のしぐさであれ、早めに気付いてうまく対応していきたい物ですね。