行動心理

「歯医者に行くと吐きそうになる」!辛い・怖い嘔吐反射への対処法とは?

歯医者で吐きそうになる

歯磨きをしていると、突然えずいてしまった経験はないでしょうか?

あの何とも嫌な感じ。あの吐き気の正体は「嘔吐反射」です。

喉に異物が入ったときの自然な反射ですが、それが強く出るかどうかは、大きく個人差があります。重度の人となると、歯医者で口に何かを入れられる度にえずいてしまい、治療は困難を極めることになります。

この嘔吐反射、一体どうしたらなくすことができるのでしょうか?

嘔吐反射が強い人の原因

歯医者で吐きそうになる

歯医者で綿を詰められたり、バキュームで唾液を吸われたり、レントゲン用のフィルムやセンサーを入れられたりすると、吐き気がしてしまうという人がいます。

実際に、その場で嘔吐してしまったという人も。

辛いですよね。やっと必要な治療が終わっても、また引き続き治療に来なくてはいけないと思うと、とても憂鬱な気分になってしまうことでしょう。

この嘔吐反射、ほとんどが過去のトラウマが原因と言われています。

何か、喉に詰まらせたことがあったり、歯医者の治療で苦痛を極める経験があったりすると、潜在意識の中に恐怖感、嫌悪感が沁みついてしまうのです。

嘔吐反射を鎮めるには、精神的なケアが必要ということになります。

嘔吐反射を鎮めるいくつかのコツ

掛かり付けの歯科医師に対処してもらう

・医師や衛生士に、嘔吐反射が起きやすいことを伝えて置く
・バキュームを、口の奥付近では使わないよう頼んでおく
・左手を上げたら、一旦休憩させてもらうという合図を決めておく
・横になるとえずきやすいようであれば、背もたれを起こした状態で治療してもらう

自分でできる対処法

・治療中は、まったく別のことを考え続ける
・意識して鼻呼吸をする
・精神科または心療内科に掛かり、安定剤を服用する

・理解、対処してくれる歯科を選ぶ

とにかく、最重要なのは、医師や衛生士とのコミュニケーションです。初診で嘔吐反射があることを伝えても、何の対策もしてもらえなかったり、我慢を要求されたりする歯科は、転院を考えたほうが賢明かもしれません。

ただ、どのような状況に陥った時に嘔吐反射が起きやすいかなど、きちんと説明しなければ、医師にも伝わりにくいので、症状をしっかりと把握してもらえるよう努めましょう。

子供の場合

歯医者で吐きそうになる

子供で、嘔吐反射が起こりやすい場合は、親が工夫して訓練をしてみましょう。

例えば、レントゲンのフィルムを口に入れることが苦手なら、子供が好きなビスケットで同じようなサイズ、形のものを探し、それを咥えることから始め、次に紙を折りたたんで、次にプラスチックの小さな板で、というように、徐々にフィルムの材質に近づくように段階を踏んで、口に咥えさせます。(※小さな子供には飲み込めない大きさのもので行うようにして下さい)

口に入れることができたら「できたね、平気だね」と声を掛け、できれば歯科でも医師の了解を得て、同じ段階を踏んで撮影してもらいましょう。

バキュームが苦手なら太めのチョコ棒、キャンディなどと、バキュームに見立てたプラスチックの筒などを、交互に口へ入れてみましょう。

嘔吐反射が起こらないようなら、「大丈夫だね、なんともないよ」と認識させましょう。

ただし、お菓子を無理に口の中に入れてしまうと、そこで嘔吐反射が起こった場合、お菓子でさえ受け付けなくなってしまうこともあり得ますので、必ず子供自身の手に持たせて口へ入れさせるようにしましょう。

この場合も、決して無理をさせず、子供が嫌がるようなら、すぐにやめさせましょう。

どうしても無理なら、全身麻酔

あらゆる対処法を駆使しても、嘔吐反射が頻繁に出て辛いということであれば、治療費は高額になりますが、点滴で血管内に鎮静剤を注入する静脈鎮静法や、大学病院などで全身麻酔による治療を受けることもできます。

歯科通院が地獄のように感じるくらい辛いという人は、医師によく相談し、自分に合った治療法を見つけましょう。