まだ幼い頃、特に男の子は、「そんな小さなことで泣いちゃいけない」と言われて育った人も多いのではないでしょうか。
諸説あるようですが、世間一般で言う男が泣いていいときというのは「生まれたとき」と「親が死んだとき」、「子供に先立たれたとき」だそうで、まるで生死に関わること以外で泣くことはみっともないと言わんばかりです。
確かに、女性に振られたからといっていつまでもメソメソ泣いている男性を見て、魅力的だと感じる女性はあまりいないでしょう。
女性に関しても、些細なことですぐに泣く女性は敬遠されがちです。
でも、この「泣く」という行為、実はとても理にかなっているのです。
今回は、涙がもたらす驚きの効果について、お話します!
泣くことによってストレスを排出できる
思い切り泣いた後は、何となくスッキリした感覚になりませんか?
実際に、研究結果では「玉ねぎを切って泣く」ことでは見られなかった副腎皮質ホルモンが「感情の高ぶりによって泣く」ことにより分泌されていることがわかっています。
この副腎皮質ホルモンは、ストレスを感知したときに検出されるもので、つまり、溜まったストレスをおびき出して、体外へ排出していることになります。
あのスッキリ感は、目に見えない老廃物を出せたことにより、心身がリセットされたからだと考えられます。
また、泣くことにより、鎮静作用のある脳内物質エンドルフィンが増加することもわかっています。
涙を流すことに抵抗を感じる人も多いと思いますが、こういった研究結果により、心の痛みを和らげる効果があることが実証されているのです。
泣いてしまったことに、罪悪感や羞恥心を抱く必要はなさそうです。
ストレスが溜まってきたら、わざと「泣く」場面を作る
普段からあまり泣くことがないという人に限って、ストレスを溜めこみやすい傾向にあります。
仕事や私生活でイライラしたり、悩みを抱えたりしているときは、ぜひ涙を流せる環境を作ってみて下さい。
その時、昔の悲しかった思い出や辛かった体験を思い出して泣くことはお勧めしません。
自分とは関連のない事柄で泣きましょう。感動する映画を観てもいいですし、悲しい小説でもいいです。
ネットでも「泣ける」と検索すると、たくさん出てきます。
意識して、思い切り泣いてみましょう。流した涙の量だけ、余計なものと“さようなら”できます。
泣いた後の頭痛を和らげる方法
思い切り泣いた後は、激しい頭痛に悩まされるという人がいますが、これは、一時的に脳が酸欠状態になるためと考えられています。
やっぱり泣くんじゃなかった・・と後悔せずに、溜まっていたストレスが残した爪痕だと思って、傷口を修復しましょう。
効果的な方法として①蒸しタオルを後ろの首やこめかみに当てる②長めにお風呂に浸かる③塩を少量(0.8~1%)入れた水を飲む、などがあります。
特に目の付近や顔周りを温める方法は、翌日の目の腫れを防ぐ効果もあるので、ぜひ試してみて下さいね。
泣いたっていいじゃないか!人間だもの。でも、場所をわきまえて・・
やはり、いくら泣くことが体と心に良いからと言って、どこでもすぐに泣き出すというのは、周りの人に嫌悪感を与えかねません。
何か悲しいことや辛いことがあったときは、その気持ちを「お持ち帰り」しましょう。
帰宅したら、気兼ねなく、思い切り涙を流しましょう。
いかがでしたか?
考えてみると、「涙もろい人」というのは、もしかしたらストレスを発散させることが凄く上手な人なのかもしれないですね。
せっかく人間にだけ特別に与えられた「泣く」という能力を、使わない手はありません。
大いに泣いて、リセットして、ストレスとは無縁な、スッキリとした状態でいたいですね。