あなたは、自分が一日にどのくらい、どんなときに「まばたき」をしているか、意識したことはありますか?
1分間にまばたきをする平均回数は、成人男性で20回、成人女性では15回とされています。目が乾いている、疲れているとき以外、このくらいまばたきをしていることを意識することは、なかなかありませんよね。しかしこのまばたきにはいろいろな役割があるのです。
まばたきには、種類が3つあります。
1つ目は、目が外から刺激を受けたときにする、反射性まばたき。まぶしい光を見たときや、風が吹いてきたときにするまばたきです。
2つ目は、意識して自分の意思で目を閉じる、随意性まばたき。ウインクもこの意識して行うまばたきになります。
3つ目は、特にまばたきをする原因がない、自発性まばたき。これは目を潤すために自然に行われるものと言われています。
このように、まばたきは、意識・無意識に関わらず、目を守る反応として行われています。
また、まばたきにはその時の心理状態が表れることがあります。この場合は知らないうちに、ほとんど無意識でまばたきをしていることが多いでしょう。あなたの知らないうちに、まばたきであなたの心理状態が相手に伝わっているかも知れません。
私たちはどのような心理状態のときに、どのようにまばたきをしているのでしょうか?
まばたきをするときの心理状況

人は、不安や怒りを感じたり、緊張してくると、まばたきが多くなると言われています。そのような状態になると、脳から脳内伝達物質であるドーパミンが分泌され、人はまばたきをします。
このドーパミンが多く分泌されるほど、まばたきが多くなることも研究でわかっていますので、まばたきの回数と、感情や緊張の強さは比例していると言えます。
大勢の人の前でスピーチをしなければならないとき、目上の人にあいさつをするときなど、「失敗したくない!」と激しく緊張するシーンでは特に、まばたきを多くしているということでしょう。
好きな人の前でも同様に、「変なところを見られないようにしよう」と言う気持ちから、すごく緊張してしまいますよね。きっと、いつもより多くまばたきをしているでしょう。
また、話をしている最中、相手がいつもより多くまばたきをしていたら、それはあなたに好意があるというサインかも知れませんね。緊張すると早口になる傾向もありますので、あわせて相手の気持ちをチェックしてみてはいかがでしょう?
そのほかに、嘘をついていたり、隠し事をしていてがそれがばれないか緊張してまばたきが多くなるというパターンもあります。真偽を話し合っている最中にまばたきが多くなったら、もしかしたら何かを隠したいという心理の表れかも知れません。
まばたきから考えられる病気について

まばたきが多い原因として、眼科系の病気であることも考えられます。ドライアイ…涙液が減ることで目の表面が乾くドライアイという症状になると、目の表面が傷付きやすくなり、感染症にかかりやすくなってしまいます。目を保護しようとする働きから、まばたきが多くなっていることが考えられます。
アレルギー性結膜炎…花粉やホコリなど、アレルギーの原因となるアレルゲンが目の表面に付着すると、気になってまばたきが多くなることがあります。チック症…主に子どもに見られるもので、心因性による症状としてまばたきが多くみられることがあります。
このように、病気からくる症状のひとつとしてまばたきが多くなることもあります。目に違和感がありまばたきが多くなっていることに気付いたら、悪化する前に早めに専門科を受診しましょう。
いかがでしたか?

例えばビジネスシーンにおいて、重要な商談や打ち合わせの場では誰でも緊張するものだと思います。そのような大事なシーンでまばたきを多くしていると、相手に「この人はすごく緊張しているな。仕事に慣れていないのかも知れない」「後ろめたいことがあるのだろうか。何か隠しているのかな」などと思われてしまうことになります。
そのような大事なシーンで緊張してしまったら、意識的にまばたきをゆっくりと行ってみてください。ぱちぱちと回数の多いまばたきが不信感を感じさせるのとは逆に、ゆっくりとするまばたきは、相手に信頼感や落ち着きを感じさせる効果があります。
ゆっくりとしたまばたきには「あなたのお話をしっかりと聞いています」というボディランゲージでもあり、「同意」「共感」などを感じさせる効果もありますので、ビジネスシーンにおいては相手に良い印象を与えるでしょう。
心が落ち着かないと呼吸が浅く速くなり、その状態が焦りや緊張感を増長させてしまうのと同様、まばたきの回数が多くなると同じような状態になっているのです。
ゆっくり深呼吸をするのと同じように、ゆっくりまばたきをすることで緊張していた心も落ち着いてきます。緊張しやすく、焦りが顔に出てしまいがちな方は、ぜひ自分がどんなときにどのようにまばたきを意識してみてください。
ほんの少し意識してまばたきを変えてみるだけで、相手に与える印象は良い方へぐっと変わるかも知れません。